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小樽飲酒ひき逃げ事件の裁判員裁判が札幌地裁であり、求刑通りの懲役22年を言い渡されました。危険運転致死傷罪が適用されるか注目が集まり、判決の瞬間は傍聴席50人から「ウォー」という声が上がったそうです。

小樽飲酒ひき逃げ事件をあまり知らない人のために、事件を振り返ってみます。

 

小樽飲酒ひき逃げ事件の詳細

2014年7月13日午後4時28分ころ、道路を歩いていた女性4人をはねて手当てや119番せずに逃げて午後4時50分ごろに現場から数百メートル離れた市道で身柄を拘束。呼気から基準値の3倍のアルコールが検出された。女性は3人が死亡、1人が重傷を負う。

今回の裁判の焦点は、飲酒か前方不注視かという点です。

被告の弁護人はスマホの操作による脇見運転が原因で飲酒の影響ではない。逃げたあと10km走行したが蛇行してないから、正常に運転できる程度の酔いだから過失致死、道交法違反。

検察側はビーチでの長時間の飲酒により正常運転が困難で、歩行中の被害者に気付かなかった。だから危険運転致死傷、道交法違反。

弁護側は懲役9年が妥当と主張するが、判決では求刑通り懲役22年。

 

不思議に感じたのは、お酒飲んでいてもスマホを操作したと言ったほうが罪が軽くなるの?そんな疑問を感じました。酔っ払った経験がある人はわかると思いますが、酔ってるときはスマホの操作も正常にできないことってありますよね。

そもそも飲酒がすべてのもとになってると思います。被告は「ひいたのは女性1人だと思う」と110番通報の時に話してます。つまり飲酒で正常な状態ではなかったということでは?

せっかく危険運転致死傷罪ができてもあいまいでは意味ないので、しっかりとした基準が欲しいですよね。

 

今後の危険運転致死傷罪の判例になるのか?

今回の裁判は遺族の方々が7万人以上の署名を集めなかったら、過失致死で終わっていたかもしれません。そうなっていたら今後も同じようなケースのすべてが過失致死で、危険運転致死傷罪にはならなかった可能性がありますよね。

殺人事件では過去の判例にそった判決がほとんどです。今回の裁判が危険運転致死傷罪の判例になれば遺族の方々も頑張って署名を集めたことが報われるでしょうね。

酒の影響が事故を引き起こすということを 裁判長も言ってます。

「注意力の減退は酒の影響としか考えられない」

「何の根拠があって酒の影響がないと言い切れるのか理解に苦しむ。単なるよそ見というレベルからかけ離れている」

脇見と言っても飲酒以上の理由にならないということですね。これが判例となればいいのですが・・・

残念なのはこの事件のあとに、砂川市で飲酒運転による死亡事故が起きてしまったことです。

私は飲み過ぎると記憶がなくなることもあるので、飲みに行くときは車は使いませんが、改めて飲酒運転が引き起こす事故の怖さを痛感しました。